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2015年7月1日水曜日

「ダブリンの台所」

以前にも紹介したが、このコラムの空気感が好き。
そこで、「ダブリンの台所」と題して、1本限りのコラムを書いてみた。

自分で自分のことの記事を書くって難しい。ジャーナリズムにはそんな手法があるのかわからないけど。家のことも色々と書きたかったけど、あくまで台所がテーマ。
余分な情報をそぎ落とし、そぎ落とし、同時に内容は濃厚に仕立てる。。。
というのが欲張りな性分には課題。
あと、写真がまだまだ。。。
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〈住人プロフィール〉
 会社員(女性)・25歳
 賃貸アパート・2LDK
 DART線 Sandymount駅(ダブリン4区)
 入居2年・築年数 不明
 ひとり暮らし
    ◇
大学卒業と同時に仕事でアイルランドに引っ越してきてから住んでいる家。
台所は4畳ほどの広さ。
主張しすぎない白を基調としたシンプルなキッチンが気に入った。
もとから机と椅子2脚が備え付けられていた。
仕込みをしながらほっと一息つくこともある。落ち着く場所の一つ。

自炊生活は今年で8年目。
朝から自分の昼食用の弁当を含め、1日の3食分を一気につくることもある。それでもメニューは毎食変えるのが自分のポリシー。
薄口醤油で味付けした炊き込みご飯が炊けるにおいが台所に広がると、ここがどこだかわからなくなる。
そんな深呼吸したくなる香りは、地球上どこにいても一緒。

キッチンは、人生の縮図。
世界約30カ国を旅してきた。
旅の後、リビングで荷ほどきをするといつも自然と台所や食に関わる道具や調味料が紛れ込んでいる。ハンガリーのマーケットで買ったパプリカパウダー、スペインの街角で見つけた2人用パエーリャ鍋、フィンランドの雑貨屋で買った小さなチーズスライサー、アイルランドのミニウイスキー、そして日本での一時帰国から持ち帰った地元の絶品みりん。
旅先での記憶がふと蘇る。

フィンランドでの留学時代、午後3時頃に日没を迎える冬の日の夕方、世界各国からの友人たちとそれぞれの国の料理をつくって過ごした。白夜の夏には森でベリーやキノコ狩りをして自ら食材を調達し、丁寧に生きることの大切さを学んだ。

休日や平日の昼には家に友人を呼んで夏にはテラスでわいわい食べることもある。
キッチンは、そんな笑顔をつくる場所。
普段はひたむきにまな板に向かう場所でもある。
将来、もし自分のキッチンを持つ日が来たら、ここにあるみたいな大きなオーブンと、今度は大きな窓がある台所がいい。そうして今は背にしている庭の花や緑を見ながら料理できるスペースがいい。


(写真)以前は裸電球だったが、シルエットが気に入って旅先で購入した針金ライト。


(写真)マグネットはつかない冷蔵庫。

(写真)小瓶たち

(写真)ローリエは日本の実家の庭で採れたもの。

(写真)ぬくもりのある木とシンプルな白い陶器のコンビネーションが好き。


(写真)デザインが気に入って手鍋やステンレス深鍋はフィンランドで購入した。火が通りやすくて使い勝手もいい。
(写真)スコーンやグラタンを焼くのに欠かせない大きなオーブン。

(写真)台所から出るとこの季節は庭の緑が美しい。

2015年2月22日日曜日

最高のランチ

これまで2年間アイルランドで生活してきたが、この間ダブリンで、いやアイルランド中で一番おいしいランチを食べた。Chapter One というミシュラン1つ星のレストラン。
 
ちょうど平日の休暇を利用して仲良しアイルランド人同僚とランチに行って来た。
平日とだけあって、フォーマルな雰囲気の中に、スーツ姿のビジネスランチ?のビジネスマンや老夫婦たちばかり。
 
そこに若者2人が飛び込んだというわけだ。
そんな若者2人であったが、どうも雰囲気にすっかりと溶け込んでいたようだ。
フレンドリーなマーティンさんというウエイターのチーフのような人が寄って来て、
「あんたら、医者かい?なんだか所作が落ち着いていてプロフェッショナルみたいで...
そんな感じだよ」と笑。
 
・・・え、どんな感じだよ!?


Cured mackerel
with Atlantic crab, apple and mustard dressing, pickled seaweed, crème fraiche and fried smoked potato
というわけで、前菜はサバの塩漬け
~大西洋蟹、リンゴとマスタードドレッシング、海藻の漬物、サワークリームとスモークポテト添え~

サバが塩辛すぎず、絶妙。日本人の私好みの味!なんか懐かしい味。
そして、ポテトがこんなにポテトって個性的なんだ!と1つ1つの味覚に感激する。

ゆっくりと前菜を楽しんでいると、少し前から来ている目の前に座っているカップルの様子がちょっとへん。30代くらいのそのカップル、全く話さないのである。それだけではなく、女は男の方に体を敢えて向けながら斜め下の手元にあるスマホをいじり続けている。

どうでもいいけど、メインが終わるまで愛が通じているとは見えない光景を横目にしつつ、
我ら若者2人は「あぁ、離婚前の最後のランチ」って感じかな。と想像したり、いや~一体どうなってんだ?と日本語が通じないことをいいことに散々言いまくっていた。
Salt marsh duck breast
with bonito flavoured sesame seeds and salted Muscat grape, stuffed carrot with a ginger crust and roast Crown Prince pumpkin
 メインは、カモの胸肉
~カツオ風味のゴマと塩漬けマスカット、生姜風味のトッピングのニンジン、ローストパンプキン添え~
これも、ソースがしっかりと噛みごたえがありジューシーなカモ肉とよく絡み合って、
素材の香りが引き立ち、それぞれの素材の味覚が100%引き出された一品。
アイルランド産海藻を使い、マスカットとの相性・・・完璧。

マーティンさんがフレンドリーすぎてびっくりした。
メインを食べ終えるころまた近寄って来て、「あんたら、デザート終わったら厨房見せてやっから」と。若者2人、興奮!どうしてだろう、なんでこんな特別な扱いを受けるのだろう(嬉)。口々に楽しみだね~と。
Tea soaked prunes,
spiced Irish stout sponge, honey glaze, with lemon and ginger ice cream
食べきるのがもったいないな~と言いつつ、最後はデザート。
ザラメが寒かったけど、アイルランドで食べたsticky puddingの中で一番stickyなpuddingだった。
ほどよい生姜アイスクリームとの相性も抜群。
これに、プティフルとして特製?チョコレートが出てきて〆る。

なんだかんだ、ゆっくりと堪能した。
1時半に座って、「さぁ、行こうか」となったのは、午後4時。たまにはこんなゆったりしたランチ、最高だね。そして、厨房ツアーもあるし♫
マーティンさんが別のテーブルを片付けている。支払いを済ませる(我ら以外誰もいないので、ウエイターももう放置プレイww)。
・・・だが、マーティンさんの姿が急に見えなくなった。いやな予感。。
支払をして、厨房に目をやるけど・・・いない!
出口に行くと・・・いた!でも「はいよ、ありがとね、ドクター!」と厨房ツアーの宣伝等何事もなかったかのように送り出されてしまった。あれれれ...

なにはともわれ、平日の昼からおいしいワインと、見た目も味も鮮やかなお料理の数々を堪能して大満足!厨房は見られなかったけど(笑)、すっかりと幸せな気分になった。

食によって、こんなに世界が違って見えるなんて・・・。
お高いけど、ぜひまた来たいレストランNumber One!!


P.S.後日、マーティンさんがポシャッた厨房ツアーのことについて、アイルランド人の友人と話していたら、「やっぱ、あの時マーティンさんにツアーどうなったんですか、と聞かなきゃいけなかったよ、アカリ!」と。あゝ、そうだ受け身じゃだめだった、待ってるんじゃいけなかった。ここはアイルランドだから、アイルランド人を相手にしているんだから。前へ~前へ~。



2014年8月10日日曜日

Brayでの半日~Farm Market~

我が家から車で30分圏内に、好きな場所がたくさんある。
ダブリン県のお隣、ウィックロー(Co. Wicklow)にある、ブレイ(Bray)もその一つ。

特に、毎週土曜10:00-16:00にFarm Marketが開催されるKillruddery House & Gardensは、最近のお気に入り。
馬小屋を改装した場所でマーケットが開かれる。
馬小屋の内部は、地元の手工芸品やオーガニック野菜、木製品、肉屋さん、ジャムストール、ベーカリー、カフェなど小さなスペースを利用して20~25店舗が並ぶ。
どこも既製品というより、ハンドメイド感が溢れていて、品物と、それを売る人の温かみがあるのが好き。ダブリンの街中にはないゆったりとした雰囲気なのがここのFarm Marketを気に入っている理由。
地産地消。地元で収穫されたものが並ぶ。
その中でも、とりわけ思わず立ち寄って毎回何かを買ってしまうのが、手作りのパンやスイーツを販売するDay's Kitchen。ここの、Yum Yumsというねじれた揚げドーナッツ(下の写真奥にある茶色に輝く物体:1つ2EUR  ※1EUR=136円)やブラウニー(1つ2EUR)が特においしい。
いろいろなところで似たようなものを食べるけど、ここの揚げドーナツとブラウニーは、
勝手に私のthe best doughnut and browny in Irelandという称号をあげている。
それぐらいおいしいのだ。

手作りのスイーツがずらり。揚げドーナツとブラウニーが特に絶品!
青空の下で、パンをかじる。

馬小屋の内部にある併設カフェ。

Farm Marketのすぐ裏は、こんな感じ。6月末に撮影の1枚。
上の写真の裏には、また山があり、Sugarloafという標高501mの丘?山。
501mでも、山の少ないこの辺りでは、高い方。
6合目あたりまでは車で上がれるけど、最後の3合分は、30分もあれば登頂できるのだが結構険しい岩山を上る感じ。Sugarloafというその名の通り、白砂糖のような色の石がコロコロしているため、
うっかりしていると滑ってしまう。
そうして頂上に登ると、「あぁ、上ってよかった!」と思えるほど美しい風景が広がっている。
180度アイリッシュ湾が広がり、残りの180度はウィックロー県の山々や草原が見渡せる。
アイリッシュ湾を背に、標高501mのSugarloaf頂上にて。

因みにSugarloafは、画面右側のとんがった山。
 

ダブリンは、山にも海にも近くてほっとできる場所が近くにあるのがいい。
晴れ渡った日(特に土曜日!)にBray方面に行くのがオススメ!

2013年11月9日土曜日

アイルランド食事情【アジア・中東料理編】

 アイルランドは、multiculturalな社会である。
多くの欧州諸国がそうであるように、アイルランドも欧州域内外から多くの人々―ただ単に学生や就業を目的とするもの以外にも、いわゆる「移民」や「難民」としてやってくる者も―がいる。

したがって、食文化も多様性がある。
日本では見向きもしなかったエキゾチックな料理にダブリンでは数多く出会うことができる。
食事のおいしかったレストランやカフェは幸運なことながらたくさんあるけれど、
特にアジア・中東料理は私にとって、
とても新しい発見であり、
その食文化の奥深さに驚かされた。

ダブリンで好きなレストラン、いくつもあるけれど、
最近自分のヒットだったのが、レバノン料理。
The Cedar Treeという市街地にあるレストランでは、
特にMezzesという小皿料理がオススメ。
タパスみたいにちょこっとつまめ、なんと言っても同じ味の皿が2つとないお料理の数々で、驚きの連続だった。
2人前からの注文なのだが、3人で2人前でも十分すぎるくらいの量。
レバノン料理
お次は、Baan Thaiというタイ料理やさん。
ダブリン市内には2店舗あり、そのうちの1店舗であるBallsbridge店は、
我が家や職場から近くにあり、よく同僚とも行く。
まず、お店の雰囲気がとても素敵。お料理も種類が驚くほどたくさんあり、
レッドカレーやグリーンカレーだけではなく、麺類やスープ等揃いに揃っている。
ピリッとしたスパイスがお腹や脳を刺激してくれる。何度でも行きたいお店である。
タイ料理
最後は、モロッコ料理。
Dada Restaurantというお店で、市街地にある。
最初に入店したとき、来ているお客さん、特に女性は頭をスカーフで隠している方が多く、
私にとって異国情緒たっぷりだった。
お店の雰囲気もモロッコ風の照明やゆったりくつろげるソファ等、落ち着いている。
おなじみのタジンから串焼き、デザートに至るまで楽しめる。
ただ、ランチ時(しかも13時の開店早々に行き、混んでいたわけでもないが)料理提供時間が長い。タジン料理を頼んだが、出てくるまでの時間約40分。
さすがに待ちくたびれた。。。
甘っいモロッコ風スイーツ(アーモンドを多く使用)とミントティーで〆る。

モロッコ料理
というわけで、アイルランド食事情○○編、まだまだぼちぼち続く。

2013年8月31日土曜日

秋の香り

最近は日没時間も早まり、夜9時には真っ暗に。
そして、朝晩も冷え込むようになった。

私は、秋が好き。
朝晩の空気は透明に澄んでいて、
ピリッとした冷えも心地よい。

何よりも、そうした空気のせいか、夕日も美しい季節だからだ。
 
 
 
そんな秋は、やっぱり食欲の秋!
最近は、出勤前のちょっとした時間に下ごしらえどころか数品つくることもあり、
家に帰ってきてからもしっかりと料理の時間をとっている。
 
特に、最近ヒットだったのが、揚げ物!
中でも、揚げ出し豆腐を初めてつくり、大満足の味だった。
(Photo: 特製・エビと野菜の天ぷら/揚げ出し豆腐定食)

(Photo: アイルランド最初の家庭の味・Apple Crumble)
 
 
デザートも、フィンランドから買って帰った白玉と頂いた手作りみたらしで、みたらし団子を堪能したり、
同じくフィンランド産のイースト菌を使って、Pullaというパンやシナモンロールを作っている。
また、こちらに来て数週間たって出会ったアイルランド人友人宅に行ったときに出してもらったApple Crumble(ほんとに簡単!)を再現したりしている。
 
「料理」は、生きる上で大切なスキル。
自分を楽しませることもできるし、
相手を喜ばせることもできる。
 
何より、新しいものに挑戦するというのが楽しい!
きっと日本にいたら作っていなかっただろうな、というものもあり、
海外で自分の腕をもっともっと磨いていきたい。