2015年2月22日日曜日

最高のランチ

これまで2年間アイルランドで生活してきたが、この間ダブリンで、いやアイルランド中で一番おいしいランチを食べた。Chapter One というミシュラン1つ星のレストラン。
 
ちょうど平日の休暇を利用して仲良しアイルランド人同僚とランチに行って来た。
平日とだけあって、フォーマルな雰囲気の中に、スーツ姿のビジネスランチ?のビジネスマンや老夫婦たちばかり。
 
そこに若者2人が飛び込んだというわけだ。
そんな若者2人であったが、どうも雰囲気にすっかりと溶け込んでいたようだ。
フレンドリーなマーティンさんというウエイターのチーフのような人が寄って来て、
「あんたら、医者かい?なんだか所作が落ち着いていてプロフェッショナルみたいで...
そんな感じだよ」と笑。
 
・・・え、どんな感じだよ!?


Cured mackerel
with Atlantic crab, apple and mustard dressing, pickled seaweed, crème fraiche and fried smoked potato
というわけで、前菜はサバの塩漬け
~大西洋蟹、リンゴとマスタードドレッシング、海藻の漬物、サワークリームとスモークポテト添え~

サバが塩辛すぎず、絶妙。日本人の私好みの味!なんか懐かしい味。
そして、ポテトがこんなにポテトって個性的なんだ!と1つ1つの味覚に感激する。

ゆっくりと前菜を楽しんでいると、少し前から来ている目の前に座っているカップルの様子がちょっとへん。30代くらいのそのカップル、全く話さないのである。それだけではなく、女は男の方に体を敢えて向けながら斜め下の手元にあるスマホをいじり続けている。

どうでもいいけど、メインが終わるまで愛が通じているとは見えない光景を横目にしつつ、
我ら若者2人は「あぁ、離婚前の最後のランチ」って感じかな。と想像したり、いや~一体どうなってんだ?と日本語が通じないことをいいことに散々言いまくっていた。
Salt marsh duck breast
with bonito flavoured sesame seeds and salted Muscat grape, stuffed carrot with a ginger crust and roast Crown Prince pumpkin
 メインは、カモの胸肉
~カツオ風味のゴマと塩漬けマスカット、生姜風味のトッピングのニンジン、ローストパンプキン添え~
これも、ソースがしっかりと噛みごたえがありジューシーなカモ肉とよく絡み合って、
素材の香りが引き立ち、それぞれの素材の味覚が100%引き出された一品。
アイルランド産海藻を使い、マスカットとの相性・・・完璧。

マーティンさんがフレンドリーすぎてびっくりした。
メインを食べ終えるころまた近寄って来て、「あんたら、デザート終わったら厨房見せてやっから」と。若者2人、興奮!どうしてだろう、なんでこんな特別な扱いを受けるのだろう(嬉)。口々に楽しみだね~と。
Tea soaked prunes,
spiced Irish stout sponge, honey glaze, with lemon and ginger ice cream
食べきるのがもったいないな~と言いつつ、最後はデザート。
ザラメが寒かったけど、アイルランドで食べたsticky puddingの中で一番stickyなpuddingだった。
ほどよい生姜アイスクリームとの相性も抜群。
これに、プティフルとして特製?チョコレートが出てきて〆る。

なんだかんだ、ゆっくりと堪能した。
1時半に座って、「さぁ、行こうか」となったのは、午後4時。たまにはこんなゆったりしたランチ、最高だね。そして、厨房ツアーもあるし♫
マーティンさんが別のテーブルを片付けている。支払いを済ませる(我ら以外誰もいないので、ウエイターももう放置プレイww)。
・・・だが、マーティンさんの姿が急に見えなくなった。いやな予感。。
支払をして、厨房に目をやるけど・・・いない!
出口に行くと・・・いた!でも「はいよ、ありがとね、ドクター!」と厨房ツアーの宣伝等何事もなかったかのように送り出されてしまった。あれれれ...

なにはともわれ、平日の昼からおいしいワインと、見た目も味も鮮やかなお料理の数々を堪能して大満足!厨房は見られなかったけど(笑)、すっかりと幸せな気分になった。

食によって、こんなに世界が違って見えるなんて・・・。
お高いけど、ぜひまた来たいレストランNumber One!!


P.S.後日、マーティンさんがポシャッた厨房ツアーのことについて、アイルランド人の友人と話していたら、「やっぱ、あの時マーティンさんにツアーどうなったんですか、と聞かなきゃいけなかったよ、アカリ!」と。あゝ、そうだ受け身じゃだめだった、待ってるんじゃいけなかった。ここはアイルランドだから、アイルランド人を相手にしているんだから。前へ~前へ~。



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