2015年12月7日月曜日

デンマークのクリスマスデザイン

私の旅の1カ年計画も終盤にさしかかってきた。
4月、とあるホテルのラウンジにある暖炉の火を眺めながら、理想の旅計画を立てた。
「こんな野心的な有給休暇なんて実現できるかな」と思っていたけど、ここまで何の狂いもなく好きなときに、好きなところに行って、好きなことをする夢の生活を送っている。
 
この冬には、デンマークに行きたかった。
暑いときには暑いところへ、寒いときには寒いところへ、がモットーの私であるが、
やはり北欧の冬は格別である。
といっても11月下旬のデンマークは「雪が降るぞ~」と言われた週末でも最低気温マイナス5度の表示。温かい。
 
 
 
 
 
デンマークの冬の窓辺には星のひかりが埋め込まれる。
北欧の冬は、「あかり」が映える。
夏のまぶしすぎるくらいの真夜中の「ひかり」もいいけれど、
白い息とホットワインを温める白い湯気が混じった冬の屋外クリスマスマーケットの「あかり」や結露した家の窓辺に置いてあるランプのぼやりと大きくなった光、そして派手ではないけどエレガントで主張しすぎない街のイルミネーション、、、そんな冬の夜の楽しみが北欧の冬にはたくさん詰まっている。

レゴの発祥地はサンタもレゴ。

今でこそ日本では北欧デザインという単語が定着しているけれど、

デンマークは北欧の中でもデザインの源泉がある。

今回訪れたのは、首都コペンハーゲンと第3の街フュン島にあるアンデルセン生誕の街・オーデンセ。訪れる街で、デザインショップに入るのが今回楽しみにしていたことの一つ。

全体的に、建物の外から見て「あ、入りたい!」と思うお店やカフェがかなり多かった。温かみのある色のあかりが灯ったのを遠くから眺めると、肌寒い夜の街を歩いていても気持ちも明るくなった。

そんな「あかり」だけを集めた専門店や普通の季節はどうなっているのかが知りたくなるようなクリスマス一式の雑貨屋さん、真っ白だけど温かみのあるフォルムのお皿やボウルを扱うギャラリー風デザインショップなどなど。。。

Glogg(ホットワイン)のNational Championship

また、Torvehallerneの屋内マーケットは2棟のホールにちょっとつまめる食料品店(スイーツ棟と調理器具・ワイン・セイボリー棟がわかれていて歩きやすい)がずらりと並ぶ。
 
2棟の間の屋外スペースでちょうどGlogg National Championshipなるイベントが開かれていた。7~8種類のGlogg(ホットワイン)が無料で(!)振る舞われていた。

普通赤ワインがベースで数種類のスパイスが入っているが、ウォッカベースのGloggや赤・白ワインを使ったGloggアイスもあったりして、出店先がクリエイティブで他と一味も二味も違ったGloggを出していて、Gloggの幅が自分の中で一気に広がった。

Glogg文化は名を微妙に変えてフィンランドやスウェーデン等他の北欧諸国やドイツでも盛んで、実際フィンランド留学中にもクリスマスが近くなると飲んでいたが、ベリージュースがベースで甘ったるい温かい飲み物という程度の印象しかなかった。

デンマークのGloggは、千切りアーモンドやレーズンが王道。それに干しクランベリーや干しマスカット?(ブドウ)等の乾燥果物が多く入っており、けっこうそれぞれ味が違っていた。

独創的なGlogg(Mulled Wine)が光る。

いちいちおしゃれなインテリアショップ

北欧の冬の楽しみは、クリスマスマーケット!

午後3時すぎには暗くなる。その分、街中が光に溢れる時間。

メルヘンな世界観のチボリ公園~☆

チボリ公園の観覧車(窓なし)からの眺め。

5日間いて唯一晴れた日は移動日。寒いけど(から?)美しい!

コペンハーゲンで寄り道。流行のコーヒーショップ。

ソーサーやセッティングがいちいちおしゃれ。

木の温もりと首都の今が交差するコーヒーショップ。



2015年11月12日木曜日

芸術の秋 ~クレアの秋~

音楽の街Ennisを流れる川
11月5日~9日までクレア県エニスにてEnnis Trad Festが開催された。
エニスは小さい街ながらアイルランド伝統音楽の街として盛ん。
Ennis Trad Fest was held in Ennis, Co. Clare between November 5th and 9th. Ennis is a small town, but it is famous for being the centre of Irish trad music.



祭りの期間中は毎晩街中のパブやホテルでセッションがある。
レベルの高いセッションが日常的に行われているというが期間中は、やはり規模が違う。
一つのセッションでも数十人レベルのものもあり、かなり弾きごたえ・聴きごたえがある。
During the festival, there were loads of sessions at pubs and hotels throughout the night.  I heard we could always listen to high level sessions, but the size of the sessions was bigger than normal occasions. You can easily find a big session where dozens of people join in. Listening to the music or even joining in is really impressive.


クリスマスの準備も万端!
7日(土)の11:30-13:30には楽器ごとにMasterclassがあり、我らがFiddleクラスはMcDara O’Raghallaigh とあと一人女性の先生(先生の飛び入り参加?で名前が結局わからなかった・・・)の2人で2グループに分かれて行われた。
There was a workshop for each musical instrument between 11.30am and 1.30pm on Saturday 7th.  Our fiddlers group was divided into two subgroups with one teacher each: McDara O’Raghallaigh and a lady(I’m sorry, but I couldn’t get her name in the end...).
夏に参加したmusic campと違い、短時間集中型。
レベルもまちまちだったため、駆け足で進んでいく~(といいつつ、やはりうまい人はすぐに飲み込んで3回くらい通したらスラスラと弾ける。恐るべし・・・)
同じ箇所を1フレーズ1人ずつ弾けば、十人十色。
なんであんなに温かみのある音が出るのだろう・・・
Different to the summer music camp, it was more intensive and for a shorter time. Though students’ levels were diverse, the speed of the class was like flying. It was amazing that some good fiddlers could absorb a tune in a minute just by playing three times. When the teacher let us play some of the same phrases one by one, it was obvious that we could feel the diversity of playing styles.
I was impressed by the others; how could they make such sweet and warm sounds?


〇本日の曲/ Tunes of the Day
1.Bill Nicholson's 67th
2.Corofin Nights Jig
3.Laura's Reel
4.Finbar Dwyer's
5.Kerry Mills Hornpipe
6.Garrity Reel
7.The Boyne Mist and the Caves of the Cats

2時間で7曲はさすがにキツかった~。。。
1週間たってもまだまだ消化不良・・・
It was really intensive; we learnt 7 tunes in two hours!!!!!!
I haven’t ‘digested’ these tunes yet even one week later.

隣の部屋でだいたいどこへ行っても嫌われ者のイリアンパイパーたちが弾いていて、
常時騒音(';')なレッスンだったけど、素敵なhornpipeも教えてもらったし、満足!
We could easily hear next door’s ‘noise’ from Ulleanpipers, who other musicians usually do not like. However, we learnt some lovely hornpipes and I was content with that workshop.


週末は昼間からパブやホテルといった街の至る所でセッションがあった。
と言いつつやはり本番は夜!
A lot of sessions were held at many locations such as pubs and hotels around the town from midday, especially at the weekend. However, the main time for the sessions was, of course, at night!!


Welcome to Ennis!

外も冷え込んできたころに、どこのパブの演奏がいいかな~とモワッとした温かい室内に入る。
1杯のポーライナーを片手に演奏家の前にあるSnugと呼ばれる小部屋に腰を下ろす。
On one of the very cold nights, we were searching for a good pub session, and found a warm pub. And then, we sat down with a pint of Paulaner at a snug in front of the musicians. 


Cruisesでのセッション

Rowan Tree Hostel and Restaurantでの日曜昼セッション

そして、手に持ったグラスの底が見えると一段と冷え込んだ外に再び出て、
音のする方向へと向けて歩いていく。
その音量がmaxに達したところで足を止めた。2軒目のパブ。
When I reached the bottom of the glass of beer, it was time to leave for another pub, and we went out towards the sound of music. We stopped walking at the spot when the volume of music became really loud. It was the second pub.
メキシコのビール瓶を片手にぐいっと立ち飲み一杯。
さわやかなのど越しが、温かすぎるくらいの熱気のパブにはちょうどいい。
We stood up in front of the session area again, holding a bottle of Mexican beer. It was the perfect balance to enjoy this light refreshing beer in such a warm pub.


狭い道の両脇にはかわいらしい建物が立ち並ぶ
さらにセッションを求めて、車がやっと通れるほどの狭い石畳のメイン通りを上って行った。
Bodhranを叩くおじいさんのテンポが独特。
We still tried to explore to find more sessions and walked down the main cobblestone narrow roads, which allowed only one car to pass through.
The rythm of the Bodhran which a guy was playing was very unique.

Diamond Barパブは今回一番のお気に入りの一つ
打楽器と言えば、今回初めて見たのが2つの骨を使った楽器。
そのおじいさんは外国人と思われる客に「これは自分の祖父の骨なんだ」とまじめな顔をして脅かしていた。そんな訳ない。
Speaking of percussion, I saw an instrument made of bones for the first time. A guy scared one tourist saying “these bones belonged to my grandfather!”.  He looked serious, but…no way!

セッションは夜遅くまで続いた。
狭い路地を通ってパブを回る。
音が大きくなったかと思えばさらに歩みを進めると音が微かに聞こえるくらい小さくなったりする。
いい音楽があれば、入ってみる。気に入らなければすぐに外に出て、また違うパブへ入る。
音の「波」を追って波乗りしているかのような心地よさだった。
The sessions lasted until late at night.
What an exciting journey we had; walking down some narrow alleys to reach pubs; When I walked around the town, the volume of music became bigger and sometimes smaller depending on the area.  We entered pubs when we heard good music and went out if we heard better music somewhere else. I felt comfortable, as if I had been surfboarding to catch  the “big waves” of the music.

冷たいところから温かいパブへ。
波のようにうねる音を求めて歩き回る。
機を織るかのようにいくつもの音の糸が交じり合っては重なっていく。
From chilly outside to the warm pubs, we walked around to meet music which was like rolling waves. Some rich sounds were mixed as if the string of sounds had been  woven.

そんな肌で感じるアイルランドの音楽をアイルランドを離れたら恋しくなるんだろうな。
I guess I will miss this real Irish music when I leave this country someday.

1パイントのギネスビールを傍に置いて、セッションに参加してみた。
始めて1年半の私のフィドルはなかなか波に乗れない。
それでもミュージシャンの輪に1人の小さなミュージシャンとしていられることがうれしかった。
飴色の電灯が木造りのパブ全体を照らす。
いくつもの音が重なり合ってほっくりと温かい空間ができあがる。
この高揚感。アイルランドの秋の最高の過ごし方だと思う。
At last, I put aside my pint of Guinness behind me, and joined a session. I could not catch a wave very well with a short fiddle carreer of a year and half.
None the less, I was really hornoured to be there as a wee musician.
The brown sugar candy coloured lights lit up the whole room in the pub. A warm atmosphere was created by spinning some tunes.
I believe having the craic with THIS excitement is the best way to spend Irish autumn.



セッションでハープを見たのは初めて!?

2015年11月9日月曜日

Lafcadio Hearn Gathering 2015

島根・松江を愛した小泉八雲没後111年にあたる今秋、
彼の故郷アイルランドにて数々の催しが開催された。

アイルランド人とギリシャ人の両親を持つ小泉八雲(英語名:Patrick Lafcadio Hearn)はここアイルランドではあまり知られていないが、日本各地の怪談話を収集し、
日本滞在の日々の記録を自身の著書『神々の国の首都』や『明治日本の面影』等に書き記した著名な作家。

没後110年の去年、彼の故郷ギリシャで数々のイベントを行い、今年は彼のもう一つの故郷であるアイルランドで行い、彼の魂を帰着させると共に現地での認知度向上を狙う。
The Little Museum of Dublin
山陰アイルランド協会もアイルランドツアーを企画し、20数名が団体でいわば「ハーン応援団」を結成。
私の故郷・島根から顔見知りの方々が数多く来られてダブリンにてお迎えした

ダブリン滞在中、ダブリン市街地のSt.Stephen's Green(公園)入り口一角にあるLittle Museumでは小泉八雲に関する展示のオープニングが行われたり、ハーンに関する研究者の発表、
ダブリンシティー大学での茶道ワークショップや朗読イベント等催し物が目白押し。
茶道ワークショップでは、私の実家にほど近い老舗お茶屋から姉妹が講師となって10名ずつ茶道をした。
その姉妹とは同じ小学校だった人であり、実に14年ぶりに再会し、びっくり!
茶道ってTea ceremonyと訳されているのが納得するくらい、一つの儀式みたいで一つ一つの動きに意味があって、目からウロコ。
和菓子も特注品
このときにあわせ、またまた実家の近所の老舗和菓子屋さん特注の干菓子(アイルランドと日本の国花:シャムロックと桜)が振る舞われた。

10月9日(金)ダブリン。
朗読イベントは、ダブリン市街地にあってハーンの祖先が司祭も務めたSt.Ann's Churchにて行われた。

俳優の佐野史郎さん×ギタリスト山本恭司さん(共に松江出身)による怪談の朗読舞台。
地響きのような迫力ある音響と1人15役の史郎さん...感動的だった。

この他にも先述のように来年1月3日(日)までダブリンのThe Little Museumにてラフカディオ・ハーン展が開催されている。

本展覧会の様子をお披露目↓
松江に関する章

壁の展示物(文字)、立体物、バランスのいい素敵な空間。

話に関わる「モノ」が置いてある。ここは、ひまわり。

蝶に関する章。

2階は古いポスター、写真を絶妙なバランスで常設展示。
Dublinの街並みと溶け込み、素敵な空間になっている。ぜひお近くの方はご来館いただきたい。


記念すべき年にアイルランドで松江の人々を迎えられたことを松江人として幸せに思う。

2015年10月31日土曜日

Open House Dublin

毎年10月中旬にはダブリンにある公共施設や建物(私邸も含む)が一般に公開されるイベント、その名もOpen House Dublinが開催される。
おとどしは知る由もなかったのだが、
去年は開催期間の土日に照準を合わせ緻密な調査・計画をして実行をしたものだ。

今年は、来客に仕事も重なり、時間がなかったのだが去年みたく数時間も待つことはないであろう物件を絞って日曜に参戦。

Dundrumの3 Victoria Terraceにある、あるお宅を拝見。
外観はいたって伝統的なアイルランドの労働者階級のお家という佇まい。
実際、1870年代に建てられたコテージ。
これが、中にはいると「あっ!」と驚く。
伝統と新しいアイディアの融合。この「あっ!」と驚く瞬間が好き。

お宅拝見!Open Houseの青い文字が浮かぶ白い風船が目印。
建築家Sarah Lafferty氏によって設計、2006年に改装された。
吹き抜けの空間が気持ちがいい。
普通の平屋1階かと思ったら、なんと2階建て。なぜ!?
中はシンプルに白を基調とし、吹き抜け。
白い壁に白い家具。
自然光がはいって、でも照明が必要なところは品よく照らしてある。
シンプルだからこそ、飽きが来ない、そんな生活空間。
木のぬくもりも垣間見える。照明にも脱帽。
大人気のイベント。
結局ここしか行くことはできなかったけど、ダブリンの古い家を改築して新しい現代の空間を作り上げる。アイルランドのモダン建築の底力を見ることのできる。
お宅訪問はそこで生活する人の生活を想像できて楽しい。

狭い空間を見事にアレンジ。
 

☆おまけ☆
2014年Open House Dublinより。
今見返しても驚くけど、すごい勢いで5軒を回り、これでもまだまだ飽き足らず、
営業終了~!とか言われて現地に行ったのに跳ね返されたところ多々あり。
てかその方が多いかも。

①Bank of Ireland
くじに当選し、Bank of Irelandへ。見たことのない角度から街を見る。
②古くからある果物市場。
改装したらもっと面白いものができそうな果物市場。
③ダブリン市長公邸
元市長の子供さん(30歳くらい)が案内してくれて、市長の娘としての当時の様子を語ってくれた。中には小さなパブもあり。
ダブリン市公邸/Mansion House
④9/9A Aungier Street
1664年ごろからある家で、ダブリンで最も古い家と言われている。
ダブリンで最も古い家(当時の情報)
⑤北ダブリンにあるPigeon Houseと呼ばれる私邸
伝統ともモダンの融合@Pigeon House




2015年10月22日木曜日

芸術の秋 ~ドネゴールの秋~

毎年10月最初の土日にはドネゴール県のGlentiesにてFiddlers Weekendが行なわれる。
今年で33回目を迎える歴史ある行事。
 
ダブリンから車で片道4時間。アイルランド北西部にある果て、ドネゴール県。
まだ日も昇らない真っ暗なダブリンの早朝に出発して、一時的に北アイルランドに入って抜けると、辺りの風景がツイード色に変わってきた。
 
そろそろドネゴール県だ。
ドネゴールの風景。秋の風景の色はツイードそのもの。
このFiddler's Weekの目玉は、Masterclassおよび昼夜にわたって行われるセッション、
それにドネゴール出身のフィドラーによるコンサート。
 
Masterclassは2日間それぞれ1時間半にわたって行われた。
3クラスのうち、私はAdvanced classに入り先生はこの地域におけるフィドルの第一人者であるMick Brown氏。
1クラス10人ちょっとでこぢんまりとしており、ドネゴール出身の人もいれば北アイルランドのベルファストから来たり、南部のティッペラリー県から来たり、私みたいにダブリンから来ている人がいる。
 
ドネゴール県の音楽はスコットランド音楽の影響が強く見られると言い、
スコットランド音楽発祥のリズムジャンルであるHighlandがよく弾かれる。
また、私の大好きなHornpipeも多く弾かているようだ。
ドネゴール音楽はテンポも早いし、音階も広くて弾きごたえがあるのだけど、
聴き心地は自分の好みドストライク!なアイリッシュ音楽。
 
〇Masterclass(2日間)の曲
1.Con Cassydy's
2.(Un known)
3.Charlie Mack's Slip Jig
---------------------------------------
4.(Un know: Slip Jig)
5.  Bonnie Kate Reel
6.Never was piping so gay
 
どれも耳障りのいい柔らかい曲。
楽譜なんてなくて、完全に耳で聞いて習うスタイル。
今夏のサマースクールでてこずったこの方法も次第に慣れて来ていると実感。
 
ただでさえレッスン当日にダブリンから車で来たことに驚かれたのに、
私にはさらにクレイジーなアイディアがあった。
それは朝のMasterclassが終わってから10km離れた街Ardaraで個人レッスンを3時間受けること。
なんてストイックなんだろう、自分って・・・

GlentiesからArdaraの街へ移動~

自分の今の課題がわかってて、習いたいことがはっきりとしているから、
先生のAoife Feeney氏にこれやりたい!と要望。
 
・基本の確認(特にボーイング=運弓)
・テクニック(特に重音、スライド)
・リズム(ReelとHornpipeをもっと自信もって弾けるようになること)
・ドネゴール地域に独特な弾き方
 
因みに、週末レッスンは基本的に10時~12時、13時~15時(要相談)で料金は130EUR。
詳細はThe Donegal School of Traditional Irish Musicへ。繁忙期はグループレッスンが基本だが、
時期によって個人レッスンでも同じ料金・時間帯で受けられる。
 
2日目も同様に朝1時間個人レッスン、1時間半Masterclassに再び3時間個人レッスン...という予定だったけど、まさかの先生の方がダウンしてしまい、結局2日目キャンセルで、ありがたいことに今回は無料でいいよと言われた。


            ほっと一息、寄り道。
夜のセッションやコンサートにも行ったのだけど、
ドネゴールの音楽は、リズムなのか速さなのかそういう曲なのか、そういう要素が組み合わさって聴いていると模様が見えるような音楽。こんな表現力たっぷりの音を紡げるようになりたい。
 
 
 
ドネゴールの海に出た。きれいなところでしょう!?

 
 

2015年10月20日火曜日

アイリッシュ伝統音楽の祭典 Fleadh Cheoil in Sligo


最近、アイリッシュ音楽ネタだかりだが、今回も懲りずに音楽ネタ。

89()16()までスライゴーにて年に一度のアイリッシュ伝統音楽最大の祭りFleadh Cheoil(フラー・キョール)が行われた。


Recently I am always posting articles about Irish music, but forgive me; I’m posting another one!

The biggest annual Irish traditional music event, the Fleadh Cheoil, was held in Sligo from Sunday 9th to Sunday 16th of August.
 




2年ずつ持ち回りでアイルランド各地の都市、街がこの最大の祭典を受け持つ。
 
去年と今年はアイルランド西部の街、スライゴーにて行われ、今年は40万人もの人を動員した。

毎日街の至る所で子供たちや大人が路上でバスキングをしたり、夜はパブでのセッション、また期間中には1週間の楽器別・レベル別ワークショップやプロによるコンサート等が行われた。
 
Towns and cities around Ireland take turns for two years to host this big event.

This year as well as last year Sligo City took responsibility to hold the Fleadh, and it is said that 400,000 people visited there.

From dawn to dusk, buskers young and old created a festive atmosphere in the small, old city. In addition to the daytime sessions, you could easily find pubs with good music. Also, there were one-week-workshops catering for different instruments and players’ levels, and people could also enjoy concerts by professional trad groups such as Danu.
スライゴ―の街を貫く川

中でも大会の目玉の一つは、小学〜高校生(一部大人の部もあり)が出場するCompetition

そもそもアイルランド伝統音楽は人と競争するものではなく、人から人を通じて地域の生活と共に自然と息づくもの、と競い合うことに好意を示さない人もいる。

しかし、家族の中で音楽を日常で奏で合う文化が現在でも盛んな西部やそれほど強くないアイルランド東部、また他の地方の子供たちにとってのモチベーションとなる大会であり、日頃の腕前を披露する場となる。また、このコンクールで優勝した人は今後のキャリアに大きな影響を及ぼし得る機会でもあり、実際優勝OB,OGは国内外で活躍している。
 
One of the main events was a competition where musicians from the ages of 5 to 18 (sometimes over 18) would enter. Some people say that Irish traditional music should live naturally with local life, between people not competing with each other.

However, the competition can be a strong motivation even for those who are not from strong music regions, such as the east of Ireland. It is a stage for students to show (sometimes show off?) their music and its skills.  Moreover, any musician who successfully wins this all Ireland traditional music competition once, can see their music career broaden so widely.  Actually, many ex-winners are now playing not only nation-wide but world-wide after winning this influential event.
 

スライゴーの街に着くと、早速、街角に立てば昼間のわりとまだ昼間で静かなはずの街に同時に4つのセッションが聞こえた。

Shortly after we arrived at Sligo City, when standing up at the corner of a street we could hear four different sessions at the same time even though it was still mid day.
 

 
小さい頃にこうして夏休みを使ってアイルランド伝統楽器に触れるアイルランドの子供たち。

大学生になるころにはいろんな音楽に触れてアイルランド伝統音楽から離れる人もいるだろう。でも、私は結局こうした人たちはおじさん、おばさんになってからまた伝統音楽に戻ってくると信じている。子供のころにその血に染み込んだ上、まわりの友人がやってるからセッション一緒にやるか、というように輪を描くように波及していくのでは?アイルランド伝統音楽の底力を感じる。
 
Children in Ireland absorb Irish traditional music during summer vacation from an early age. When they grow up, some people might take a break from trad music and start learning different music genres. However, I believe that many of those who quit trad music at a young age eventually return to it when they are older.  As they have absorbed trad music when they were young, it’s in their blood.  Also, they will enjoy sessions with their friends from childhood. I think this is the potential of Irish traditional music.
Ceili Dance
さーて、コンクールの時間!

まずは、初めてCéilí(ケーリー)という伝統ダンスを見る。8人のグループで踊る。

リバーダンスのように基本足のみを使って踊るダンス。

伝統音楽はケーリーと共に演奏され、音楽と同様ダンスもセットパターンがあるようでその展開の仕方が音楽と似ていた。もともとダンスは音楽と共にあり、音楽はダンスと共にあると実感。

Now, it’s time for the competition!

First of all, I saw a Céilí dance for the first time. Usually, they dance in a group of 8 people.  Similar to contemporary Irish dance, they danced only with their feet.

Irish music was originally played for Ceili dancing. Like music, it seemed that dance had certain set patterns.  I found out that music and dance live together in Ireland.
 
 
雰囲気もつかんだところで、まずはハープのコンクール会場へ。

15-18歳のスローエアの部で大学の講義場の階段教室で行われる。

出演者は他の楽器と掛け持ちで出ていることも多く、適当な時間に来て、自分の演奏が終わったらすぐ出て行くという演奏者にとって負担の少ないコンクール。

音質とか、弾き方とか、表現の仕方とか人により個性があって面白かった。そして、あまりに心地が良くてお昼寝zZz...

After tasting a bit of the atmosphere of the Céilí dance, I headed for a competition for the harp (slow air/Age:15-18 years old). Most competitors played other instruments, so competitors showed up basically anytime within the designated times and played the harp.  After finishing playing, they tended to leave soon, which it seems let students feel less stress or burden when playing.  Feeling relaxed, I enjoyed finding each persons’ different styles, sounds, tunes, the way they played and their expressions. In the end, I took a really comfortable nap in the competition venue while listening to the ‘live harp concert".  
心地よい居眠りを誘うSlow Airハープ。

そして、お次は市内の美術館のシアターを会場にして開かれたフィドル15-18歳の部。

到着したころは1時間も時間が押していて、まだスローエアの部の最終演奏者が弾いているところ。その名の通り、かなりスローでテクニックを入れつつ確実に弾いている感じ。

I moved to a museum theatre in Sligo city to listen to another competition, the fiddle (Age:15-18 years old).  When I arrived at the venue, I found out that the previous fiddle competition (slow air/Age:15-18 years old) was behind time by an hour.  The last competitor was playing.  Literally, she was playing slowly and playing steady with some amazing techniques.


 
ほどなくして、普通の演奏の部が始まる。

圧倒的だった・・・!指の細やかな動き、音と共に風が吹いてきそうだった。

驚くべきほど早い装飾音符や美しいハーモニーを奏でる重音。

この瞬間に照準を合わせた若きフィドラーたち。このためだけとは言わないけどこの瞬間に輝くために練りに練られたパフォーマンス。贅沢な時間だった。1人あたり結構長めの曲を3曲弾いたため、次のDanúによるコンサートが待っており2人しか聴けなかったけど、素晴らしい作品を見たという感じだった。

Shortly afterwards, the normal competition began. 

I was so overwhelmed!!! How fast they used their fingers! I felt as if the wind was blowing along with their notes.  What I was impressed with the most was their fast finger movement for ornamentations and beautifully harmonised double stops.

The young fiddlers conditioned very well for just several minutes in this special annual competition.   I don’t think they practice only for that, but they must practice so much to shine this moment. It was such a brilliant time.

I could only listen to two students play because it took several minutes for one person to play three tunes, and I had to rush to a concert by Danú, the world-famous musicians. However, listening to their amazingly beautiful work satisfied me.
 
 
 

パブが密集しすぎてセッションを選ぶのも一苦労。
2日目になって、セッションに入ったり、道端でバスキングをすることにした。

初バスキング!2人カップルに私。初めて組むため、お互いの共通の曲を探り探り入れ、

なかなか知っている曲がないと悟った時、国営放送RTEの取材クルーが来た。

そして、取材したい、と・・・!

3人で急いで共通の曲を探しInis Oirrを弾くことになった。

見る見るうちに目の前に半円を描くように群衆ができた。弾き終わると拍手がもらえる。

気持ちがよかった。2回撮って、インタビューを受けた。

インタビューでは、何を答えているのかわからなくなり気の利いたことは何も言えなかったのだけど、よい経験に。ただ、オンエアされるのが怖いな。。。

On the second day, we joined sessions in pubs and hotels, and we were busking on the street.

It was my first time to busk!  As friends of mine, a couple, had more common tunes, we were struggling to find our common tunes.  When we found out we did not have many tunes in common, a national broadcast TV crew, RTE, approached us. 

 

And…they said they would like to record our play!

 

We struggled more to find a tune in common.  We ended up playing a tune called Inis Oirr, which is one of my favourite tunes. 

 
In two seconds, the crowds formed a big semicircle.  When we finished playing, clapping followed us.  I had a nice feeling, a mix of excitement and nervousness.  We played twice and I had an interview with one of the RTE crew members. 

I did not know what I had been answering to the questions, or how I was managing to answer them.  Though I was not sure whether I could say something nice, it was a great experience for me.

I’m afraid to see myself in the TV, though… 
 
 





取材を入れて1時間程度で約10ユーロを稼いだ。

1人あたり3ユーロちょっと。3ユーロにこんなに重みがあるなんて思いもしなかった。

We earned around a tenner in an hour.  We split it and got around 3EUR per person.  I didn’t know until that time how much 3 euro was worth.


レベルの高い演奏を見聞きして、
実際に初めて道端で群衆に囲まれて弾いたフィドル。
It was great to see and listen to high-standard music throughout the Fleadh and also I had a lovely experience to play the fiddle in front of the crowds on the street.
 
インプットとアウトプットのバランスがなんとも心地よい初Fleadh経験になった。
My first Fleadh felt like a good balance between input and output, and a really pleasant experience.
 
 
来年は、音楽の街クレア県のエニスにて会いましょう♪
See you in music town Ennis in Co. Clare next year


子供たちの表情も真剣。楽しいのかな!?笑